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ブレイクアウト

ブレイクアウトは、価格が明確な水準を抜けて次の価格帯へ移る動きを、損切り位置がはっきりする順張りで取る戦略です。狙うのは「抜けた」という事実そのものではなく、終値で抜け、リトライで旧水準を守り、ボラティリティが拡大した状態です。USD/JPY では東京レンジ抜け、ロンドン初動、米指標後の再加速、日足や 4H の節目突破が主な対象になります。

定義

ブレイクアウトは、価格が明確なレジスタンスを上抜ける、またはサポートを下抜けることで、次の価格帯へ移行する現象を指します。

  • 上抜け:レジスタンスを終値で超え、買いが継続する状態
  • 下抜け:サポートを終値で割り、売りが継続する状態
  • ダマシ:一時的に水準を抜けたが、すぐに元のレンジへ戻る状態

実践では、ヒゲで抜けただけではブレイクと見なしません。最低条件は、対象時間足の終値が水準の外側で確定することです。

使う水準

USD/JPY では次の水準を優先します。

水準用途
前日高値 / 前日安値デイトレの基本的なブレイク基準
東京時間の高値 / 安値ロンドン初動で狙うレンジ
日足 / 4H の直近高値安値スイングの節目
150.00 / 151.00 などのラウンドナンバーオプション、実需、心理的節目
20SMA / 75SMA / 200SMA 周辺動的サポート、レジスタンス
ボリンジャーバンド ±2σボラティリティ拡大の確認

水準は線ではなくゾーンとして扱います。USD/JPY の短期足では、5〜15 pips 程度の幅を持たせる方が現実的です。移動平均線については移動平均線、バンドについてはボリンジャーバンドを参照してください。

基本セットアップ

レジスタンス上抜け

買い条件は次のとおりです。

  1. 価格が明確なレジスタンスに 2 回以上抑えられている
  2. 5分足または15分足の終値がレジスタンスゾーンの外側で確定
  3. ブレイク足の実体が十分に大きく、終値がローソク足の上半分にある
  4. 次足で高値更新、またはリトライで旧レジスタンスがサポート化
  5. スプレッドが通常範囲に戻っている

エントリーは型ごとに使い分けます。

  • 積極型:終値確定後、次足で高値を 1〜3 pips 上抜けたら買う
  • 標準型:旧レジスタンスへのリトライを待ち、反発確認後に買う
  • 保守型:リトライ後の高値更新で買う

損切りは次の考え方で置きます。

  • 旧レジスタンスゾーンの内側ではなく、リトライ安値の下
  • 目安は 5分足なら 10〜20 pips、15分足なら 15〜35 pips
  • 直近 ATR(14) の 0.8〜1.2 倍を超える損切り幅になるなら見送る

利確は段階的に行います。

  • 第1利確:1R
  • 第2利確:2R または次の上位足レジスタンス
  • 伸ばす場合:20EMA または直近押し安値割れで手仕舞い

ATR による損切り幅の測り方はATRを参照してください。

サポート下抜け

売り条件は上抜けの反転です。

  1. サポートに 2 回以上支えられている
  2. 終値がサポートゾーンの外側で確定
  3. ブレイク足の終値がローソク足の下半分にある
  4. 旧サポートへのリトライで上値が重い
  5. 次足で安値更新する

損切りはリトライ高値の上に置きます。利確は 1R、2R、次の上位足サポートを順に使います。

ボリンジャースクイーズからの拡大

ボリンジャーバンドは通常 20SMA ± 2σ を使います。スクイーズは BandWidth が低下し、価格変動が圧縮された状態です。

条件は次のとおりです。

  • BandWidth が過去 120〜252 本の下位 10〜20% にある
  • ローソク足が 20SMA 付近に集まり、値幅が縮小している
  • 直近高値や安値が三角持ち合い、ボックス、東京レンジなどで明確
  • ブレイク時にバンドが外向きに拡大し始める

買いの手順は次のとおりです。

  1. スクイーズ中のレンジ上限を終値で上抜け
  2. 終値が上側バンド付近または外側で確定
  3. 次足でレンジ内に即戻らない
  4. リトライで 20SMA または旧レンジ上限を守る

売りは反転です。注意点として、バンドタッチだけで逆張りしないこと、バンド外終値は初期的には継続シグナルとして扱うこと、スクイーズ直後はヘッドフェイクが多いので初動追いよりリトライ待ちが安定することを意識します。

ロンドン / NY セッションブレイク

JST の目安は次のとおりです。

時間帯見ること
08:00〜09:55東京序盤、仲値前の実需フロー
09:55 前後東京仲値。USD/JPY は一方向に寄ってから反転しやすい
15:00 前後東京株式市場の引け、流動性の切り替わり
16:00〜18:00ロンドン勢の参入。夏時間は 16時台、冬時間は 17時台を重視
21:30 / 22:30米経済指標。夏時間は 21:30、冬時間は 22:30
21:00〜02:00ロンドン/NY 重複。USD 絡みの値動きが最も出やすい
00:00 / 01:00ロンドンフィックス。夏時間は 00:00、冬時間は 01:00

東京レンジのロンドンブレイク

対象は次のとおりです。

  • 東京時間 09:00〜15:00 の高値、安値
  • 前日高値、安値
  • 日足の節目と重なるラウンドナンバー

買い条件は次のとおりです。

  1. 東京レンジ上限を 15分足終値で上抜け
  2. ブレイク足の値幅が直近 20 本平均より大きい
  3. 旧レンジ上限へのリトライで下げ止まる
  4. 5分足で高値を切り上げる

売りは東京レンジ下限割れで同じです。ロンドン初動の最初の 5〜15 分はスプレッド拡大と逆噴射が起きやすいので、最初の足で飛び乗るより、初動方向が決まった後のリトライを優先します。

NYブレイク

NY 時間は米金利、株価指数、経済指標で USD/JPY が動きやすくなります。

買い条件は次のとおりです。

  • 米指標後の初動で上抜け
  • いったん押しても指標前レンジ上限を割らない
  • 米10年債利回りやドル指数も同方向
  • 15分足で再度高値更新

売りは反転です。米指標直後の最初の 1〜3 分は約定が荒れやすいので、スキャル以外は初動足の高値、安値を基準にした二段目を狙います。米指標の見方は経済指標を参照してください。

ボラティリティ拡大時のエントリー

ボラティリティ拡大は、方向よりも先に「値幅が出る状態」を示します。

確認条件は次のとおりです。

  • ATR(14) が ATR(14) の 50本平均を上回る
  • 直近足の True Range が過去 20本平均の 1.5 倍以上
  • ボリンジャーバンドが拡大している
  • 直近レンジを終値で抜けている

エントリー手順は次のとおりです。

  1. 拡大足そのものには飛び乗らない
  2. 拡大足の高値、安値を基準にする
  3. いったん押し、戻りを待つ
  4. 押し目や戻り目が浅く、再度高値、安値を更新したら入る

見送り条件は次のとおりです。

  • 拡大足が長い上ヒゲ、下ヒゲで終わる
  • スプレッドが通常の 2 倍以上
  • 損切り幅が通常の 1.5 倍以上
  • 既に日中値幅の大半を消化している

ダマシ判別

ブレイクアウトの成否は、抜けた瞬間ではなく、抜けた後の滞在時間で判断します。

ダマシの典型は次のとおりです。

  • ヒゲだけ抜けて終値がレンジ内
  • 終値で抜けたが 1〜3 本以内にレンジ内へ戻る
  • ブレイク足の終値が実体の中央より内側
  • 次足が高値、安値を更新できない
  • リトライで旧レジスタンス、サポートを守れない
  • ブレイク方向と逆の大陽線、大陰線が出る
  • 指標直後だけ動き、すぐ全戻しする
  • スプレッド拡大中の約定だけで抜けている

本物のブレイクの特徴は次のとおりです。

  • 終値が水準の外側で確定
  • 次足でフォロースルーが出る
  • リトライで旧水準が役割転換する
  • ATR と BandWidth が上向く
  • 上位足の方向と一致する
  • 次の節目まで十分な値幅がある

リトライ

ブレイクアウトではリトライを前提にします。初動で入れなかった場合でも、追いかけずに旧水準への戻りを待ちます。

買いのリトライ条件は次のとおりです。

  1. 旧レジスタンスまで戻る
  2. その水準を終値で割らない
  3. 5分足で下ヒゲ、包み足、安値切り上げが出る
  4. リトライ後の高値更新で買う

売りは旧サポートへの戻りで同じです。

再エントリー規則は次のとおりです。

  • 1 回目の損切り後、同じ水準での再挑戦は 1 回だけ
  • 再挑戦は初回より条件を厳しくする
  • 2 回連続で失敗した水準は、そのセッションでは無効
  • 再エントリー時も損切り幅とリスク額は増やさない

エントリー / 利確 / 損切り

標準ルール

項目ルール
エントリー終値ブレイク + リトライ成功 + 再高値/再安値更新
損切りリトライ安値/高値の外側、または ATR(14) の 0.8〜1.2 倍
第1利確1R
第2利確2R または上位足の次の節目
撤退ブレイク水準の内側へ終値で戻ったら撤退
建値移動1R 到達後に半分利確し、残りを建値付近へ移動

USD/JPY の目安

  • 5分足:損切り 10〜20 pips
  • 15分足:損切り 15〜35 pips
  • 1時間足:損切り 30〜70 pips
  • 日足節目:損切りは pips 固定ではなく直近スイング基準

USD/JPY は 1 pip = 0.01 円です。150.00 から 150.20 は 20 pips になります。

落とし穴

  • ヒゲ抜けをブレイク扱いしない:終値で外側に残らない限り、ただの流動性狩りとして扱う
  • 初動を追いかけすぎない:大陽線や大陰線の終点で入ると、損切り幅が広くなり期待値が落ちる
  • 東京仲値前後を過信しない:09:55 前後は USD/JPY が一方向に動いた後、反転しやすい
  • ロンドン初動の逆噴射に注意:16:00〜18:00 JST は東京レンジ抜けが出やすいが、最初のブレイクはダマシになりやすい
  • 米指標直後に成行で飛び乗らない:スプレッド拡大、滑り、全戻しが起きやすい
  • ボリンジャーバンドのタッチを逆張り根拠にしない:トレンド中は上側バンドに沿って上昇し、下側バンドに沿って下落する
  • 節目直前で入らない:次の上位足レジスタンス、サポートまで 1R 未満なら見送る
  • 再エントリーでロットを上げない:ダマシ後の再挑戦は有効だが、取り返し目的の増玉は破綻しやすい
  • サマータイムを無視しない:米指標とロンドン/NY 重複時間は夏冬で 1 時間ずれる
  • ボラティリティ拡大とトレンド発生を混同しない:値幅が出ても、方向が定まらない日は往復ビンタになる

参考