仮説カタログ
テクニカルと戦略の教科書ルールを、USD/JPY で反証可能な仮説として一覧化したものです。単体シグナルを信じるためではなく、「どの条件を足すと期待R が残るのか」を検証する優先順位付けに使います。
前提
- 対象は原則として USD/JPY。
- 評価単位は
R( 初期損切り幅、)。 - スプレッド、スリッページ、指標時の約定悪化は別途コストとして差し引く。
- 「成立」とは全期間で普遍的に勝つことではなく、環境、時間帯、イベントで層別した後に、意味のある期待R が残る状態を指す。
検証手続きと反証条件は検証の方法を参照してください。
仮説一覧(H-01〜H-20)
各仮説の帰無仮説は共通して「期待R = 0(このルール単体に優位性はない)」です。下表の「対立仮説」は、そのルールが主張している内容を示します。
| ID | 売買ルール(要約) | 対立仮説(主張) | 優先度 |
|---|---|---|---|
| H-01 | 日足200SMAタッチ後、終値で上/下を維持したら順張り | 長期参加者の意識線として反発方向に正の期待R | 高 |
| H-02 | 50SMAが200SMAをクロスしたら順張り | クロス後の中期トレンド継続に正の期待R | 中 |
| H-03 | 4Hパーフェクトオーダー+20/50EMA押し目を15Mで確認 | 上位足トレンド方向の押し目/戻り目に正の期待R | 高 |
| H-04 | H1/H4レンジで M15 RSI が30/70から反転 | レンジ端の過熱反転は平均回帰で正の期待R | 高 |
| H-05 | 水平帯でのRSIダイバージェンス反転 | 勢い鈍化を示し、反転方向に正の期待R | 中 |
| H-06 | 1H MACDゼロクロスの方向に15Mトリガーで入る | ゼロクロスは中期地合いの転換で正の期待R | 高 |
| H-07 | ゼロライン付近のMACDシグナルクロス | 再加速、転換として正の期待R | 中 |
| H-08 | レンジでBB±2σ外→内側復帰で逆張り | レンジでの内側復帰は平均回帰で正の期待R | 高 |
| H-09 | BBスクイーズ後、東京レンジ終値ブレイク | 低ボラ圧縮後の終値ブレイクは同方向に正の期待R | 高 |
| H-10 | 上昇中のBBミドル押し目で順張り | ミドルは押し目/戻り目として機能し正の期待R | 中 |
| H-11 | 東京レンジをロンドンで終値ブレイク+リトライ | ロンドン勢参入でフォロースルーしやすい | 高 |
| H-12 | ゴトー日09:30–09:55の仲値前買い | 実需ドル買いで仲値前買いに正の期待R | 高 |
| H-13 | 仲値通過後の反転(上ヒゲ+RSI/%B/ミドル割れ) | 仲値前フロー剥落で反転方向に正の期待R | 高 |
| H-14 | NFP後、内訳と米2年債が同方向なら二段目順張り | 一致時、初動方向の二段目に正の期待R | 高 |
| H-15 | 指標直後1–3分は取引せず、二段目の再突破で入る | 約定悪化を避け実質期待Rが高くなる | 高 |
| H-16 | 重要指標15分前の新規エントリー禁止 | スプレッド拡大、急変回避で期待RとDDを改善 | 高 |
| H-17 | 米2年債とUSD/JPYが同方向のときだけ順張り採用 | 金利一致フィルタで正の期待Rが高まる | 高 |
| H-18 | キャリー巻き戻し局面で逆張り禁止+戻り売りのみ | 下側バンドウォーク継続で戻り売りが有効 | 中 |
| H-19 | 週明けギャップのギャップ埋め方向 | 薄商いの週明けギャップは平均回帰しやすい | 低 |
| H-20 | 月末ロンドンフィックス前後のリバランス方向 | 月末フローで一定時間に方向性が生じる | 低 |
検証の優先順位
まず検証するのは H-11、H-09、H-13、H-14、H-16、H-17。売買時刻、エントリー条件、無効化条件が明確で、イベント単位で成否を切り分けやすいためです。
次に H-01、H-03、H-04、H-08、H-10。テクニカルの基礎仮説ですが、上位足、時間帯、レンジ/トレンド判定を入れないと結果が混ざるため、最初から「単体」と「フィルタ付き」を分けて走らせます。
H-19、H-20 は後回し。サンプル数と外部データ依存が問題になるため、先に価格データだけで再現できる仮説を処理します。
検証状況
現在、移動平均(H-01系)は網羅的に検証済みで、棄却されています。詳細はケーススタディ:移動平均線は本当に効くのかを参照してください。RSI、MACD についても検証を進めています。