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トレンドフォロー

トレンドフォローは、相場が一方向に進み始めた後にその流れへ乗る戦略です。上位足でトレンド方向を決め、中位足で押し目や戻り目を待ち、下位足で再加速を確認してから入る手順を、USD/JPY の時間帯特性に合わせて体系化します。方向、タイミング、損切りを分けて扱い、レンジでの無駄な売買を避けることを狙います。

前提

トレンドフォローは、底値買いや天井売りを狙いません。上昇トレンドでは押し目買い、下降トレンドでは戻り売りだけを行います。

USD/JPY では、以下の順に判断します。

  1. 上位足でトレンド方向を決める
  2. 中位足で押し目、戻り目を待つ
  3. 下位足で再加速を確認して入る
  4. 損切り位置を先に決める
  5. 利が乗った場合だけ追加建てする

方向、タイミング、損切りを分けて扱います。これを混同すると、レンジの MA クロスや MACD クロスで無駄な売買が増えます。

使う時間足

用途推奨時間足主な確認事項
大局判断日足 / 4H200SMA、50EMA、直近高値、安値
売買方向4H / 1Hパーフェクトオーダー、MACD ゼロライン
エントリー1H / 15M押し目反発、戻り反落、MACD クロス
損切り調整1H / 15M直近スイング、ATR、MA割れ
デイトレ管理15M / 5MNY指標前後、短期の失速

基本は 4H で方向を決め、1H でセットアップを作り、15M で入る 流れです。日足トレンドが明確なときは 4H の押し目買い、戻り売りを優先します。

使う指標

移動平均

基本セットは以下に固定します。詳しくは移動平均を参照してください。

指標用途
20EMA短期の勢い、浅い押し目、戻り目
50EMA中期トレンド、標準的な押し目、戻り目
200SMA大局の地合い、長期参加者の意識線

EMA は反応を重視します。200 本だけは SMA を使い、大局の判断に寄せます。USD/JPY の短期売買では、20EMA と 50EMA の間に戻ってきた局面が最も扱いやすくなります。

MACD

標準設定は MACD(12, 26, 9) を使います。詳しくは MACD を参照してください。

  • MACD が 0 より上:買い方向を優先する
  • MACD が 0 より下:売り方向を優先する
  • MACD ラインがシグナルを上抜け:買いの再加速
  • MACD ラインがシグナルを下抜け:売りの再加速
  • ヒストグラム拡大:勢いの加速
  • ヒストグラム縮小:勢いの鈍化

MACD クロス単体では入りません。MA の並び、価格構造、時間帯が揃ったときだけ使います。

ATR

ATR(14) は損切り幅とトレーリングに使います。詳しくは ATR を参照してください。USD/JPY は時間帯でボラティリティが変わるため、固定 pips の損切りより ATR を使う方が実践的です。

  • 15M エントリー:15M ATR(14) の 0.8〜1.5 倍をバッファにする
  • 1H エントリー:1H ATR(14) の 0.5〜1.0 倍をバッファにする
  • 4H スイング:4H ATR(14) の 0.5〜1.0 倍をバッファにする

MA ちょうどに損切りを置きません。MA、直近高安値、ラウンドナンバーの少し外側に置きます。

パーフェクトオーダー

上昇パーフェクトオーダー

以下をすべて満たす状態を上昇パーフェクトオーダーとします。

  1. 価格が 200SMA より上にある
  2. 20EMA > 50EMA > 200SMA の順に並ぶ
  3. 20EMA と 50EMA が上向きである
  4. 直近高値、安値が切り上がっている
  5. MACD が 0 より上、または 0 付近から上抜けている

この状態では売りを探しません。押し目買いだけを狙います。

下降パーフェクトオーダー

以下をすべて満たす状態を下降パーフェクトオーダーとします。

  1. 価格が 200SMA より下にある
  2. 20EMA < 50EMA < 200SMA の順に並ぶ
  3. 20EMA と 50EMA が下向きである
  4. 直近高値、安値が切り下がっている
  5. MACD が 0 より下、または 0 付近から下抜けている

この状態では買いを探しません。戻り売りだけを狙います。

エントリー条件

押し目買い

USD/JPY の買いは、以下をすべて満たしたときだけ行います。

環境認識

  1. 4H または 1H が上昇パーフェクトオーダーである
  2. 日足が 200SMA より上、または日足の直近高値、安値が切り上がっている
  3. MACD が 0 より上、または 0 ラインを上抜けた直後である
  4. 米金利急低下、日銀タカ派材料、介入警戒など、円高材料が強くない

押し目条件

  1. 価格が 20EMA または 50EMA まで下げる
  2. 直近の上昇波に対して半値付近までの押しに収まる
  3. 前回高値、前回レジスタンス、ラウンドナンバーがサポートに変わる
  4. 下げのローソク足が小さくなり、ヒストグラムのマイナス拡大が止まる

発注トリガー

  1. 15M または 1H で陽線確定する
  2. 直近の小さな戻り高値を終値で上抜ける
  3. MACD ラインがシグナルを上抜ける、またはヒストグラムがプラス転換する
  4. スプレッドが通常水準で、重要指標発表まで 15 分以上ある

この4条件が揃った次の足で買います。指値で拾うより、反発を確認してから入ります。

戻り売り

USD/JPY の売りは、以下をすべて満たしたときだけ行います。

環境認識

  1. 4H または 1H が下降パーフェクトオーダーである
  2. 日足が 200SMA より下、または日足の直近高値、安値が切り下がっている
  3. MACD が 0 より下、または 0 ラインを下抜けた直後である
  4. 米金利急上昇、日米金利差拡大、強いリスクオンなど、円安材料が強くない

戻り条件

  1. 価格が 20EMA または 50EMA まで上げる
  2. 直近の下落波に対して半値付近までの戻りに収まる
  3. 前回安値、前回サポート、ラウンドナンバーがレジスタンスに変わる
  4. 上げのローソク足が小さくなり、ヒストグラムのプラス拡大が止まる

発注トリガー

  1. 15M または 1H で陰線確定する
  2. 直近の小さな押し安値を終値で下抜ける
  3. MACD ラインがシグナルを下抜ける、またはヒストグラムがマイナス転換する
  4. スプレッドが通常水準で、重要指標発表まで 15 分以上ある

この4条件が揃った次の足で売ります。戻りの途中で早売りしません。

利確条件

固定利確

最初の利確目標は 1R とします。R は初期損切り幅です。

  • 損切りが 30 pips なら 1R は 30 pips
  • 1R 到達で建玉の 1/3 または 1/2 を利確する
  • 残りは建値または軽い含み益位置にストップを移す

1R 到達前に分割利確しません。小さく利確すると、トレンドフォローの期待値が落ちます。

伸ばす利確

2R 以降は以下のどれかで伸ばします。

買いポジション

  • 15M / 1H の 20EMA を終値で割るまで保有する
  • 直近押し安値を終値で割るまで保有する
  • MACD ヒストグラムが縮小し、MACD ラインがシグナルを下抜けたら一部利確する
  • 日足、4H のレジスタンス、前回高値、心理的節目の手前で一部利確する

売りポジション

  • 15M / 1H の 20EMA を終値で上抜けるまで保有する
  • 直近戻り高値を終値で上抜けるまで保有する
  • MACD ヒストグラムが縮小し、MACD ラインがシグナルを上抜けたら一部利確する
  • 日足、4H のサポート、前回安値、心理的節目の手前で一部利確する

強いトレンドでは、MACD の逆クロスだけで全決済しません。価格が 20EMA を終値で割る、または直近スイングを壊すまで残します。

時間帯による利確

デイトレでは時間帯で利確を調整します。

JST判断
09:30–10:05仲値前後の一方向フローは反転しやすい。短期玉は一部利確する
15:00–16:30東京レンジの終盤。ブレイク前の逆振れに注意する
16:00–18:00ロンドン勢の参入で東京レンジを抜けやすい。ブレイク方向は伸ばす
21:30 / 22:30 前後米指標で急変しやすい。発表前の含み益は必ず一部守る
23:00–01:00ロンドンNY重複で伸びやすい。1Hの20EMAを基準に伸ばす
02:00 以降欧州勢の引けで失速しやすい。デイトレ玉は縮小する

米国夏時間では主要米指標は JST 21:30、冬時間では JST 22:30 が多くなります。NYオープンも夏時間は JST 22:30、冬時間は JST 23:30 になります。時間を固定せず、米国の夏時間、冬時間を確認します。

損切り条件

買いの損切り

買いの初期損切りは、以下のうち最も遠い位置に置きます。

  1. 押し目の直近安値の下
  2. 50EMA の下
  3. 1H ATR(14) の 0.5〜1.0 倍を足した位置
  4. ラウンドナンバーの下

買った根拠が「押し目反発」なら、押し安値を終値で割った時点で根拠は消えます。損切りを広げません。

売りの損切り

売りの初期損切りは、以下のうち最も遠い位置に置きます。

  1. 戻りの直近高値の上
  2. 50EMA の上
  3. 1H ATR(14) の 0.5〜1.0 倍を足した位置
  4. ラウンドナンバーの上

売った根拠が「戻り反落」なら、戻り高値を終値で上抜けた時点で根拠は消えます。ナンピンしません。

無効化条件

以下のどれかが出たら、損切り前でも撤退を検討します。

  • 4H のパーフェクトオーダーが崩れる
  • 1H MACD がゼロラインを逆方向に抜ける
  • 直近高値、安値の更新が止まり、レンジに戻る
  • 米金利、日銀発言、介入観測などでファンダメンタルズが逆転する
  • 指標発表直後にスプレッドが拡大し、テクニカルが機能しない

損切りは価格で決めます。祈り、値ごろ感、含み損への慣れで変更しません。

ピラミッディング

ピラミッディングは、勝っているポジションにだけ追加する手法です。負けているポジションへの追加はナンピンであり、トレンドフォローでは禁止します。

追加条件

買いの追加は以下をすべて満たすときだけ行います。

  1. 初回ポジションが 1R 以上の含み益になっている
  2. 初回ポジションのストップを建値以上に移動済みである
  3. 価格が再び 20EMA または 50EMA に押す
  4. 押し目が前回押し安値を割らない
  5. 15M または 1H で直近高値を上抜ける
  6. MACD ヒストグラムが再拡大する

売りの追加は上記の反転です。

追加サイズ

追加サイズは初回より小さくします。

回数サイズ
初回1.0
追加1回目0.5
追加2回目0.25

追加するたびに全体の平均建値は悪くなります。したがって、追加後の総損失が初期リスクを超えないようにストップを引き上げます。

追加後のストップ

買いの場合は、追加後のストップを以下に置きます。

  • 初回玉:建値以上
  • 追加玉:追加前の押し安値の下
  • 全体:最悪でも口座リスク 1R 以内

売りの場合は反転します。

ピラミッディングはトレンドが走る局面では有効ですが、レンジ復帰では損失を増やします。東京時間の狭いレンジでは使いません。ロンドン参入後や NY 指標後に方向が出たときだけ使います。

JST 時間帯別の運用

東京時間

08:00–10:05 JST は仲値フローを警戒します。USD/JPY は輸入企業のドル買い、輸出企業のドル売り、実需フローで一方向に振れやすくなります。仲値通過後は失速、反転が起きやすくなります。

  • 仲値前の高値掴みを避ける
  • 仲値後に 15M で押し目を作れば買う
  • 仲値後に高値を更新できなければ利確する
  • 東京時間だけで 1H トレンドが出ない場合は見送る

ロンドン参入

16:00–18:00 JST は東京レンジを抜けやすくなります。欧州夏時間ではロンドン勢の参加が早く、冬時間では遅くなります。固定時刻ではなく、東京高値、安値のブレイクを優先します。

  • 1H が上向きなら東京高値上抜けを買う
  • 1H が下向きなら東京安値下抜けを売る
  • 逆方向の初動はだましになりやすい
  • 抜けた後に 20EMA まで戻るのを待つと精度が上がる

NY時間

米国夏時間の主要指標は 21:30 JST、冬時間は 22:30 JST が多くなります。NYオープンは夏時間 22:30 JST、冬時間 23:30 JST を目安にします。

  • 指標発表 15 分前の新規エントリーは避ける
  • 発表直後の最初の 5 分足では飛び乗らない
  • 方向が出た後、15M の押し目、戻りを待つ
  • ロンドンNY重複時間はブレイクが伸びやすい
  • 02:00 JST 以降は欧州勢の手仕舞いで失速しやすい

実務シナリオ

シナリオ1:上昇トレンドの押し目買い

  1. 日足が 200SMA より上
  2. 4H が 20EMA > 50EMA > 200SMA
  3. 1H MACD が 0 より上
  4. 東京時間に 50EMA まで押す
  5. 仲値後に 15M で安値切り上げ
  6. ロンドン参入で直近高値を上抜け
  7. 次足で買い
  8. 損切りは押し安値の下 + ATR バッファ
  9. 1R で半分利確
  10. 残りは 1H 20EMA 割れまで保有

この形は最も基本的な押し目買いです。高値を追わず、押した後の再加速を買います。

シナリオ2:下降トレンドの戻り売り

  1. 日足が 200SMA より下
  2. 4H が 20EMA < 50EMA < 200SMA
  3. 1H MACD が 0 より下
  4. 東京時間に 50EMA まで戻す
  5. 仲値後に 15M で高値切り下げ
  6. ロンドン参入で直近安値を下抜け
  7. 次足で売り
  8. 損切りは戻り高値の上 + ATR バッファ
  9. 1R で半分利確
  10. 残りは 1H 20EMA 上抜けまで保有

この形は戻り売りの標準形です。下落途中の安値追いではなく、戻りを待って売ります。

シナリオ3:ブレイク後の追加買い

  1. 初回買いが 1R 到達
  2. 半分利確
  3. 残りのストップを建値以上に移動
  4. ロンドンNY重複時間に再び 20EMA まで押す
  5. 15M で直近高値を上抜ける
  6. 初回の 0.5 倍だけ追加買い
  7. 追加玉の損切りは押し安値の下
  8. 全体の損失が初期 1R を超えないように調整する

追加は利益を伸ばす技術であり、損失を取り返す技術ではありません。

見送り条件

以下ではエントリーしません。

  • 20EMA、50EMA、200SMA が絡み合っている
  • 価格が 200SMA を何度も跨いでいる
  • MACD がゼロライン付近で上下を繰り返している
  • 直近高値、安値の更新がない
  • 東京時間の狭いレンジ中央にいる
  • 米CPI、FOMC、雇用統計の直前である
  • スプレッドが通常より広い
  • 介入警戒が強く、急変リスクが高い

トレンドフォローは、トレンドがない局面では何もしない戦略です。

落とし穴

  • MA クロスの遅行性:クロス確認後に飛び乗ると、押し目、戻り目の直前で入ることが多くなる。クロスは方向確認に使い、エントリーは押し目、戻り目で行う
  • レンジの連続ダマシ:MA が横向きのときは MACD クロスも信用しない。直近高値、安値を抜けないクロスは無視する
  • 損切りが近すぎる:MA ちょうど、ラウンドナンバーちょうど、直近高安値ちょうどに置くと通常ノイズで刈られる。ATR バッファを使う
  • 利確が早すぎる:0.3R や 0.5R で利確を繰り返すと、損小利大にならない。最低でも 1R まで待つ
  • ピラミッディングの誤用:含み損に追加するのはナンピンである。追加は 1R 到達後、初回リスクを消してから行う
  • 時間帯の無視:東京時間のレンジ、ロンドン参入のブレイク、NY指標の急変は別物として扱う
  • 上位足への逆張り:15M の反転だけで 4H トレンドに逆らわない。下位足はタイミング、上位足は方向である
  • ファンダメンタルズの無視:USD/JPY は米金利、日銀、介入観測に強く反応する。重要材料が出た直後はテクニカルを過信しない

反対の局面、つまり相場がレンジに入ったときは逆張りを参照してください。

検証項目

バックテストでは勝率だけを見ません。以下を必ず記録します。

項目見る理由
勝率セットアップの精度
平均利益 / 平均損失損益比率
最大連敗ロット管理
最大ドローダウン戦略の継続可能性
1R 到達率初回利確の妥当性
2R 到達率トレンドの伸びやすさ
時間帯別成績東京、ロンドン、NY の違い
指標日前後の成績ニュース時の無効化確認
ピラミッディング有無の差追加建ての期待値確認

USD/JPY では、時間帯別に分けて検証します。東京時間だけの成績とロンドンNY時間の成績を混ぜると、戦略の性格を誤ります。

参考